- NECのPCモニターは型番が似ていて、どのモデルを選べばいいかわからない
- EシリーズとASシリーズとLシリーズで、何がどう違うのか知りたい
- NECの液晶ディスプレイは今でも新品で買えるのか気になる
「NEC」は1899年創業の日本を代表する電機メーカーで、官公庁や企業のオフィスを中心に長く採用されてきたPCモニターブランドです。1985年に登場したMultiSyncの名を受け継ぎ、目への負担を抑える表示設計と、姿勢に合わせて動かせるスタンドの作り込みに定評があります。
この記事では、NECの特徴や独自テクノロジーをわかりやすく解説し、現行のPCモニターを全モデル比較します。用途別のおすすめモデルも紹介しますので、NECの液晶ディスプレイが気になっている人はぜひチェックしてください。
NECとはどんなPCモニターブランド?特徴と評判を紹介
NECのPCモニターは、ゲーミング向けの高リフレッシュレート機ではなく、朝から夕方まで文書と表計算に向き合う業務用途を軸に作られてきた製品群です。MultiSyncというブランド名のもと、官公庁・金融機関・製造現場といった法人市場で長く採用されてきました。
派手なスペック競争から距離を置き、目の疲れにくさと設置の自由度、そして長期間安定して使えることに開発の重心を置いている点が、NECの液晶ディスプレイに共通する性格です。
MultiSyncのブランドコンセプト
MultiSyncは1985年10月に発売が始まったNECのディスプレイブランドで、複数の走査周波数へ自動で同期する仕組みを備えていました。当時のモニターは接続するPCごとに対応周波数が固定されており、PCを買い替えると画面まで買い替える必要があったのです。
現行ラインナップでも入力端子の構成が世代をまたいで安定しており、社内のPCを更新しても画面だけを残せます。導入から入れ替えまでの期間を長く取りたい法人ユーザーにとって、無視できない価値です。
NECのPCモニターの特徴・強み
NECのPCモニターで最も強く打ち出されているのが、目への負担を抑える設計です。青色光の比率を下げるブルーライト低減機能と、バックライトの明るさを電流量で制御するDC調光方式によるフリッカーフリー設計を、現行の全モデルに標準で搭載しています。
スタンドの作り込みも強みのひとつで、EA・E・ASの各シリーズは高さ調整・チルト・スイーベル・ピボットに対応します。目線の高さに画面を合わせられるため、前かがみになりがちなデスクワークでも姿勢を保ちやすくなります。
NECのディスプレイ事業の歩みと現在の販売状況
NECのディスプレイ事業は、NEC三菱電機ビジュアルシステムズとして発足した合弁会社を起点に、NECディスプレイソリューションズ、シャープNECディスプレイソリューションズと名称を変えてきました。2026年4月1日にはシャープへ吸収合併され、製品情報もシャープ側の公式サイトで公開されています。
とはいえ旧製品ページへ移された生産終了モデルとは扱いが異なり、この記事で取り上げる8モデルは現行ラインナップのページに掲載され、国内の大手ECでも新品が流通しています。狙っている型番があるなら、在庫が動いているうちに確保しておくのが確実です。
NECのPCモニターの機能とテクノロジー
NECのPCモニターには、シリーズをまたいで共通の機能がいくつも組み込まれています。型番だけを眺めても違いが読み取りにくいのは、これらの機能名が理解できていないためです。
NECのPCモニターに共通して組み込まれている代表的な機能・テクノロジーは以下の6つです。
- MultiSync
- DV MODE
- ECO MODE
- ブルーライト低減機能とフリッカーフリー設計
- エルゴノミクススタンド
- USB Type-C接続
MultiSync
MultiSyncは、NECのPCモニターに冠されるブランド名であり、幅広い入力信号へ自動で同期する設計思想を表す名称です。走査周波数の異なる信号を受け取っても、モニター側が判別して適切に表示します。
社内に複数世代のPCが混在している職場では、モニターを機種ごとに使い分けずに済む点が効いてきます。予備機を1台用意しておけば、どの端末が故障しても即座に代替できます。
DV MODE
DV MODEは、表示している内容に合わせて画質を切り替えるダイナミック・ビジュアル・モードです。文書作成向け、写真向けといった用途別のプリセットが用意されており、作業内容に応じて選べます。
黒がしっかり沈むため、暗い写真や動画のディテールが潰れにくくなります。日中は文書向け、夜間に映像を見るときは映像向けと切り替えれば、1台のNECのPCモニターで用途をまたげます。
ECO MODE
ECO MODEは、バックライトの輝度を段階的に下げて消費電力を抑えるNECの省電力機能です。標準の250cd/m2に対し、ECO1では200cd/m2、ECO2では100cd/m2まで落とせます。
数十台単位で運用する職場ほど、1台あたりの削減幅が積み上がります。電気代とあわせて、夏場の発熱を抑えられる点もNECの液晶ディスプレイを多数台導入する現場では歓迎される要素です。
ブルーライト低減機能とフリッカーフリー設計
NECのPCモニターが「目にやさしい」と評価される根拠が、この2つの機能です。ブルーライト低減機能は画面から出る青色光の比率を抑え、長時間の作業でも刺激を和らげます。
TUV Low Blue LightとTUV Flicker Freeの両認証を取得しているのも、NECの液晶ディスプレイの現行全モデルに共通します。輝度を下げても画面がちらつかないので、ECO MODEと組み合わせて使えるのも実用上の利点です。
エルゴノミクススタンド
エルゴノミクススタンドは、高さ調整・チルト(前後の傾き)・スイーベル(左右の首振り)・ピボット(画面の縦回転)に対応した多機能スタンドです。NECのPCモニターではEA・E・ASの各シリーズが搭載しています。
一方でLシリーズとスクエアモデルはチルトのみの簡易スタンドで、高さ調整もピボットもできません。モニターアームを使うかどうかで、この差の重みは大きく変わります。アーム運用が前提なら簡易スタンドで十分ですし、単体で高さを合わせたいならエルゴノミクススタンド搭載機を選ぶべきです。
USB Type-C接続
USB Type-C接続は、映像入力と給電を1本のケーブルにまとめる方式です。DisplayPort Alt Modeで映像を送り、USB Power Deliveryで電力を供給することで、ケーブルの本数を減らせます。
出社と在宅を行き来する働き方では、抜き差しの手間がそのまま毎日の負担になります。デスク上の配線を減らしたい人にとって、USB Type-C対応はNECの液晶ディスプレイを選ぶ際の優先度の高い条件です。
NECのPCモニターの全種類を比較
ここからはNECのPCモニターの全種類と違いを解説します。まず現行の全モデルを一覧で比較し、そのあとで1モデルずつ特徴と向いている使い方を紹介していきます。
| モデル名 | 画面サイズ | 解像度 | パネル方式 | 入力端子 | スタンド機能 |
|---|---|---|---|---|---|
| LCD-EA241F | 23.8型 | 1,920×1,080(フルHD) | IPS方式 | DP/HDMI/DVI-D/D-Sub | 昇降/チルト/スイーベル/ピボット |
| LCD-E244FL | 23.8型 | 1,920×1,080(フルHD) | VA方式 | USB Type-C/DP/HDMI | 昇降/チルト/スイーベル/ピボット |
| LCD-E224FL | 21.5型 | 1,920×1,080(フルHD) | VA方式 | USB Type-C/DP/HDMI | 昇降/チルト/スイーベル/ピボット |
| LCD-AS244F | 23.8型 | 1,920×1,080(フルHD) | VA方式 | DP/HDMI/D-Sub | 昇降/チルト/スイーベル/ピボット |
| LCD-AS224F | 21.5型 | 1,920×1,080(フルHD) | VA方式 | DP/HDMI/D-Sub | 昇降/チルト/スイーベル/ピボット |
| LCD-L242F | 23.8型 | 1,920×1,080(フルHD) | IPS方式 | HDMI/D-Sub | チルトのみ |
| LCD-L222F | 21.5型 | 1,920×1,080(フルHD) | VA方式 | HDMI/D-Sub | チルトのみ |
| LCD-AS173M | 17型 | 1,280×1,024(SXGA) | TN方式 | DP/HDMI/D-Sub | チルトのみ |
NECのPCモニターは大きく2つの系統に分かれる構成です。多機能なビジネス・アドバンスト(EAシリーズ・Eシリーズ)と、装備を実務に必要な範囲へ絞ったビジネス・スタンダード(ASシリーズ・Lシリーズ)で、以下は上位のEAシリーズから順に紹介します。
LCD-EA241F

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| モデル名 | LCD-EA241F |
| 輝度 | 250cd/m2(標準) |
| コントラスト比 | 1,000:1(DV MODE時5,000:1) |
| スピーカー | 1W+1W(ステレオ) |
| 特長機能 | 人感センサ/オートブライトネス機能/USB 3.1 Gen1ハブ搭載 |
「LCD-EA241F」は、23.8型フルHDのIPSパネルを採用したNECのPCモニターで、現行ラインナップの最上位に位置するハイパフォーマンスモデルです。上左右のベゼル幅は0.8mmという極細の3辺スリムベゼルで、複数台を並べたときも画面同士の継ぎ目がほとんど気になりません。
入力端子はDisplayPort・HDMI・DVI-D・ミニD-Sub15ピンの4系統と、NECのPCモニターの中で最も幅広い構成です。USB 3.1 Gen1ハブも内蔵し、スタンドは高さ150mmまで昇降するなど、調整の自由度もラインナップで随一といえます。
複数台を並べたマルチディスプレイ環境を組みたい人、新旧の機器を1台の画面に集約したい人におすすめのモデルです。省電力の制御まで含めて作業環境を作り込みたいなら、NECの液晶ディスプレイの中で最初に検討すべき1台になります。
LCD-E244FL

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| モデル名 | LCD-E244FL |
| 輝度 | 250cd/m2(標準) |
| コントラスト比 | 3,000:1(DV MODE時30,000:1) |
| スピーカー | 1W+1W(ステレオ) |
| 特長機能 | USB Type-C接続(最大60W給電対応) |
「LCD-E244FL」は、USB Type-Cケーブル1本でPCとつなげる点を前面に打ち出した、NECの23.8型フルHDモニターです。VA方式パネルによる3,000:1の高いコントラスト比と、3辺狭額縁のすっきりした外観を両立しています。
スタンドは高さ120mmの昇降とスイーベル340度、ピボット90度に対応するエルゴノミクス仕様で、1W+1Wのステレオスピーカーも内蔵します。ノートPCを主役に据えてデスクの配線を減らしたい人におすすめで、白と黒(-BK)の2色から選べる点も、設置場所を選ばないNECのPCモニターとして扱いやすいところです。
LCD-E224FL

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| モデル名 | LCD-E224FL |
| 輝度 | 250cd/m2(標準) |
| コントラスト比 | 3,000:1(DV MODE時30,000:1) |
| スピーカー | 1W+1W(ステレオ) |
| 特長機能 | USB Type-C接続(最大60W給電対応) |
「LCD-E224FL」は、LCD-E244FLの設計をそのまま21.5型に収めたNECのPCモニターです。USB Type-C 1本接続、VA方式パネル、3辺狭額縁という骨格は23.8型版とほぼ共通で、違いは画面サイズに絞られます。
デスクの奥行きや幅に制約があって23.8型では大きすぎる人、複数台を横に並べて設置スペースを抑えたい人におすすめの1台です。機能を妥協せずサイズだけを一段下げたい場合、NECの液晶ディスプレイの中でも扱いやすい選択肢になります。
LCD-AS244F

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| モデル名 | LCD-AS244F |
| 輝度 | 250cd/m2 |
| コントラスト比 | 3,000:1(DV MODE時30,000:1) |
| スピーカー | 1W+1W(ステレオ) |
| 特長機能 | ミニD-Sub15ピン対応でアナログ接続も可能 |
「LCD-AS244F」は、NECのビジネス・スタンダードに属する23.8型フルHDモニターです。VA方式パネルの3,000:1というコントラストと3辺スリムベゼルを備え、オフィスの標準機として過不足のない構成にまとまっています。
スタンドは高さ120mm・スイーベル340度・ピボット90度まで動くエルゴノミクス仕様で、姿勢に合わせた画面配置がしやすい設計です。DisplayPort AudioとHDMI Audioに対応したステレオスピーカーも内蔵しており、外部スピーカーを置かずに音声も鳴らせます。
既存のPC資産を残したまま表示環境だけを更新したい職場におすすめのモデルです。USB Type-Cを必要としない据え置きのデスクトップ環境なら、NECのPCモニターの中でも導入しやすい1台といえます。
LCD-AS224F

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| モデル名 | LCD-AS224F |
| 輝度 | 250cd/m2 |
| コントラスト比 | 3,000:1(DV MODE時30,000:1) |
| スピーカー | 1W+1W(ステレオ) |
| 特長機能 | ミニD-Sub15ピン対応でアナログ接続も可能 |
「LCD-AS224F」は、LCD-AS244Fを21.5型にしたNECのPCモニターで、パネル方式・入力端子・スタンド機能はほぼ共通です。VA方式パネルによる3,000:1のコントラストの高さも、上位サイズからそのまま引き継いでいます。
限られたデスクスペースに収めたい人や、同じ機種をまとめて導入したい職場におすすめの1台です。目立った特長を求めるより、必要な要素を確実に備えたNECの液晶ディスプレイを探している場合に選びやすいモデルといえます。
LCD-L242F

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| モデル名 | LCD-L242F |
| 輝度 | 250cd/m2(標準) |
| コントラスト比 | 1,000:1(DV MODE時5,000:1) |
| スピーカー | なし |
| 特長機能 | 簡素構成ながらIPS方式パネルを採用 |
「LCD-L242F」は、装備を絞り込んだNECのLシリーズに属する23.8型モデルです。上左右1.7mmの3辺スリムベゼルにより、ノートPCと並べたときや2台を横に置いたときの継ぎ目が目立ちにくくなっています。
その一方でスタンドはチルト上20度・下5度のみで、高さ調整にもピボットにも対応せず、スピーカーも搭載しません。モニターアームを使うためスタンド機能が要らない人や、ヘッドホン・外部スピーカーで音を鳴らす人におすすめで、表示品質は確保しつつ余分な装備を省きたいNECのPCモニター選びに合致します。
LCD-L222F

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| モデル名 | LCD-L222F |
| 輝度 | 250cd/m2(標準) |
| コントラスト比 | 3,000:1(DV MODE時30,000:1) |
| スピーカー | なし |
| 特長機能 | ECO MODEで輝度を3段階切替可能 |
「LCD-L222F」は、NECの現行ラインナップで最も構成がシンプルな21.5型モデルです。VA方式パネルの3,000:1というコントラストと3辺スリムベゼルを備え、表示の基本性能はしっかり確保しています。
サブディスプレイを1台足したい人、モニターアーム運用を前提にしている人、台数をそろえたい職場におすすめです。必要な機能だけに絞ってNECの液晶ディスプレイを増やしたい場面で、素直に選びやすい構成といえます。
LCD-AS173M

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| モデル名 | LCD-AS173M |
| 輝度 | 250cd/m2 |
| コントラスト比 | 1,000:1(DV MODE時3,000:1) |
| スピーカー | 1W+1W(ヘッドホン端子付) |
| 特長機能 | 現行唯一の5:4スクエア画面(SXGA) |
「LCD-AS173M」は、NECの現行ラインナップで唯一のスクエアモデルです。17型・1,280×1,024(SXGA)という5:4の画面比率は、ワイド画面が主流となった今では希少な存在になっています。
POS端末や受付カウンター、工場のライン端末など、スクエア画面を前提に組まれた業務システムを使い続けている環境におすすめのモデルです。既存の設置スペースや専用アプリケーションの表示領域をそのまま引き継ぎたいなら、代わりの効きにくいNECのPCモニターといえます。
まとめ:NECのPCモニターでおすすめのモデル
この記事では、NECのPCモニターの成り立ちとMultiSyncのコンセプト、DV MODEやECO MODE、ブルーライト低減機能といった共通テクノロジーを解説し、現行の液晶ディスプレイを全モデル比較しました。フルHDの21.5型と23.8型を軸に、スクエアの17型まで揃っているのが現行ラインナップの姿です。
なお、NECのPCモニターは公式サイト上でメーカー出荷が完了し、在庫限りでの販売継続とされています。気になる型番が見つかったら在庫状況を早めに確認しておくと安心です。NECの液晶ディスプレイ選びの参考になれば嬉しいです。


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